デジタル画像相関法 (DIC) は、グレー値のデジタル画像をベースにした全視野画像解析手法であり、負荷をかけた試験体の輪郭と変位を3次元で決定することができます。
コンピュータ技術と静的・動的用途のための高解像度デジタルカメラの急速な新開発により、この測定方法の応用範囲が広がり、DIC手法は変形解析のための柔軟で有用なツールであることが証明されています。
そのダイナミックレンジは広く、大きなひず (100 %超) を測定することができます。分解能は視野に依存するため、拡張性があります。

DICの原理
特徴
- 材料試験 (ヤング率、ポアソン比、弾塑性挙動)
- 破壊力学
- 高速用途 (動的測定)
- 先端材料 (CFRP、木材、繊維注入PE、金属発泡体、ゴムなど)
- 部品試験 (変位、ひずみなど)
- 測定領域: 柔軟 – mm2 ~ m2
- 測定結果: 表面の輪郭、3次元変位、ひずみ
- 測定感受性: 視野の1/100,000まで測定可能
原理
立体センサーのセットアップを使用して、試験体の各点がそれぞれのセンサーの像面内で特定のピクセルに照準されます。各センサーの撮像パラメータ (内部パラメータ) とセンサー相互に対するセンサーの向き (外部パラメータ) を知ることで、3次元における試験体の各点の位置を計算することができます。試験体面上の確率的な強度パターンを使用し、相関アルゴリズムを適用することによって、2枚の画像における試験体の各点の位置を特定することができます。
相関関係
相関アルゴリズムは、小さな局所近傍面内のグレー値パターンG(x,y) の追跡に基づいています。試験体への負荷により、このパターンは以下の2つに変換されます。

および

以下の相関アルゴリズム内で

これらのパターンの差を最小にすることができます。
以下の照明パラメータ

およびアフィン変換のパラメータを変化させることによって

0.01ピクセル超のマッチング精度を達成することができます。
校正
測定の品質は、システムの内部パラメータと外部パラメータの正確な知識に依存しています。校正は、種々の透視図で校正パネルの画像を撮影することで簡単に行うことができます。
バンドル調整アルゴリズムは、カメラごとの内部パラメータ (焦点距離、主点、ひずみパラメータ) およびそれらの向き、さらに外部パラメータ (並進ベクトルと回転行列) を計算します。
輪郭測定
相関アルゴリズムを適用して相同点を見つけることで、2台のカメラの画像内で試験体の点を特定します。撮像パラメータを考慮に入れて、試験体の輪郭を計算することができます。
変形測定
種々の負荷条件下の画像について変換パラメータを計算することで、面ごとの変位ベクトルと変形の両方を決定することができます。
ひずみ計算
試験体の曲率を考慮して、アフィン変換のパラメータと変形勾配によってひずみを計算することができます。
応用例
材料特性
DICは、塑性変形の範囲に至るまでの材料パラメータの特性を解析します。その強力なデータ解析ツールにより、材料試験の重要な役割である最大ひずみの位置と振幅を判定することができます。

生画像 (左)、最大主ひずみ (中央)、主ひずみ (右)
破壊力学
DICは破壊力学分野の調査に最適です。全視野測定は、局所的・全体的なひずみ分布や亀裂進展に関する正確な情報を提供し、重要な破壊力学パラメータの決定に使用することができます。

生画像 (左) と主ひずみ (右)
部品試験
CFRP (炭素繊維強化プラスチック) 構造体の変形解析。

生画像 (左) と面外変形 (右)
当ソフトウェアは、便利なデータ処理、信頼性の高い評価、広範な後処理・解析機能 (主ひずみの判定や可視化など) を提供します。