PDAの測定原理

はじめに

位相ドップラー流速計 (PDA) による測定は、単一粒子を対象に行われ、粒子流れの詳細な解析が可能になります。流れ場における統計規模と速度モーメントの分布や、粒子濃度、局所規模と速度との相関を測定できます。

流れの中での測定点の移動により、流れ場全体のマッピングが可能になります。
位相ドップラー流速計の基本原理は光散乱干渉法に基づいているため、校正は必要ありません。

image of phase doppler anemometry overview

測定点は2本の集光レーザー光の交差点によって決定され、測定は試験体積を通過する単一粒子に対して行われます。これによって、粒子は両方のレーザー光を散乱させ、光学干渉縞を生成します。

厳選された軸外の位置に配置された受光光学系は、散乱光の一部を複数の検出器に投影します。各検出器は、この光信号を、粒子速度に線形比例した周波数を持つドップラーバースト信号に変換します。各検出器からのドップラー信号間の位相シフトは、粒子径の直接の測定値となります。

原理

PDA手法は、レーザードップラー流速計を拡張したものであり、位相ドップラー法の原理に基づいています。

2台以上の検出器が、測定体積を通過する単一粒子によって発生した散乱光を収集します。

光散乱

光散乱現象は、レイトレーシングによって可視化することができます。例えば、水滴面に入射した光は、その一部は水滴面から反射し、入射光は、1回の内部反射の後、一部は前方と後方の両方向に透過・屈折します。散乱光の強度は、全方向に均一ではなく、相対的な屈折率にも左右されます。

相対屈折率式の画像
相対屈折率の画像

散乱角

したがって、発信器の位置 (散乱角j) は、1つの光散乱モードが支配的になるように慎重に選択しなければなりません。

一般に使用される散乱角の範囲:
A: 30°~70° (屈折の場合)
B: 80°~110° (反射の場合)
C: 135°~150° (2次屈折の場合)

粒子速度

粒子速度Uは、いずれか1台の検出器からの信号のドップラー周波数fDから計算されます。

粒子速度式の画像

粒子径

粒子径Dは、2台の検出器からの信号間の位相差Fから導出されます。

光散乱が反射に支配されている場合:

光散乱式の画像

光散乱が屈折に支配されている場合:

光散乱式の画像

3台の検出器

2台の検出器で明確に測定できる最大粒子径は、F 1-2 = 360°の位相シフトに相当します。検出器間の距離を短くすることで、粒子径の範囲を広げることができます。しかし、これは測定分解能を低下させることにもなります。3台の検出器を使用することで、測定可能な粒径範囲が広く (F 1-3)、かつ測定分解能が高く (F 1-2) なります。

粒径グラフの画像

最新のPDA受信機では、事前に位置合わせされた3つの受信開口部が1つのファイバー光学プローブに統合されています。

image of PDA receiver

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